バイト時代の仲間だからかれこれ20年近い付き合いだ。
奴はバツ1で、理由が仲間はみんな知っているが、
奴が新興宗教の信者だったことを当時の奥さんが知らなかったから、ということで、
1月に新年会で再婚を訊いた時には仲間が口を揃えて、
「今度はちゃんと話したのか」、と詰問(?)したが、さすがに学習したそうだ。
奴の信奉する宗教は結構メジャーだが別に怪しいワケじゃないし。
奴はパイロットで、今度の奥さんはライバル会社のスッチー。
奥さんは笑顔にも厳しそうな雰囲気を漂わせる人で、
なるほど、しっかり尻に敷いてくれれば、奴も大丈夫だろう。
ガンヲタである新郎はオールバックにしていたので、
おめでとうの代わりに、「ギレンだな」と賛辞を贈ってやっておいた。
二次会もそれなりの雰囲気の人が多かったが、「吸収合併かよ」というボクの軽口は、
両社の経営状態からあながち冗談ではない状況でもあり、
ビミョーな空気を作るのにもって来いな感じだった(笑)
会場は、地上39階のイタメシ屋で、
高い処じゃないと落ち着かないんじゃないだろうか、と妙な確信めいた事を思った。
BGMが、ノエビアの飛行機が映っているCMで使われているフーファイターズのやつとか、
『グッドラック』のタイトルチューンとか、ベタベタなのが面白かった。
誕生月毎にチームに分けられて、お約束のゲームタイムとなったが、
チーム内には男が、
絵に描いた様な軽い感じのパイロットさんとボクの二人しかいなくて、
しれーっと逃げていたつもりが、
最後に、万歩計をつけてその場ダッシュという一番面倒なゲームを
スッチー達の目線から逃げ切れずにやるハメになり、
そんなことなら呑まなきゃ良かったという後悔先に立たず、
ムキになって息が上がり脚が固まって、
半ば気が遠くなりつつ天空からさらに昇天するかと思いながら
減速する周りをよそにやりきったものの、
万歩計があまり反応しなくてブービーになって素で悔しかったが、
息が上がるのを押し殺して卑屈キャラを作りつつチームに戻ると、
スッチー達が、さすがに人あしらいに慣れた感じで健闘を称えてくれた(苦笑)
しかし、先々週の友達の二次会といい、人が幸せなのを見るのはいいことだ。
最後の挨拶で新郎が、「二次会っていうのはどっかでやったような」と、
余計な挨拶にビミョーな空気が流れたが、
どんな時もマイペースでKYを絵に描いた様だからこそ
パイロットにもなれたのが分かる奴でもあるし、
今度は幸せにするって事なので、そうあって欲しいもんだと思った。
三次会の案内を貰ったがフェードアウトして、
一緒に行った仲間と二人でボクの近所のお馴染みの小料理屋で相方と落ち合う。
奴は新卒以降、政界で有名な弁護士事務所の秘書として働き続け、
30代も後半になった今、法務大学校に入って司法試験の勉強をしている。
色気がなくて生真面目だがどこかズッコケていて人に優しい、いい男だ。
しかし、パイロットといい、弁護士といい、みんな立派なものだ。
奴の勉強とか僕ら夫婦の小ネタとかを肴に、
その後近所のスナックに流れ、奴の調子っぱずれのカラオケに爆笑しつつ、夜が更けた。

















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